Tealiumが主催する、デジタルデータ活用の最新事例を一同に集めたイベント「デジタルベロシティ」が今年も開催されました。その中で、Tealium プロダクトディレクター カイル・ブライアリーは、モバイルファーストが加速する今、顧客のモバイルでの行動データをより大きな顧客データセットに統合することが、CX改善にとってとても重要であると語りました。

現代社会において、モバイルデータの使用量は増加し続けています。今後も世界中で、モバイルデータのデータ量は2019年から2025年にかけ5倍に成長(外部サイト・英語)し、月間33EB(エクサバイト)から月間164EBに増加するとみられています。世界中でスマートフォンが、年々普及していっている今、カイル・ブライアリーが発表した施策を、できるだけ早く行うことが重要視されてくるのです。現在、多くの人にとって、スマートフォンは主なインターネットへのアクセス手段ですが、スマートフォン上のブラウザ以外にも多くのモバイルタッチポイントがあります。

ガートナー(アメリカのIT分野を中心とした調査・助言を行う企業)は次のように述べています。

「ウェブブラウザが最も一般的なアプリケーションのタッチポイントであるにもかかわらず、モバイルアプリは増え続けています。スマートウォッチやスマートフォン、音声駆動デバイスなどのバーチャル型のデバイスが業界に浸透するにつれて、インタラクションモード(タイピング、タッチ、ジェスチャー、言語)はデジタルユーザーの行動過程全体に拡大しています。」

IoT接続デバイスを含むモバイルタッチポイントや、様々なデータソースが繰り返し使用されている今、モバイルがモノリシック(一枚岩)でないことは明らかです。カスタマーエクスペリエンスを創造する際、デバイスごとに注意するポイントが異なります。カイルによると、例えば、靴を購入する際にアプリを使用するのかブラウザを使用するのか、顧客とモバイルのタッチポイントが異なるだけで、顧客と企業の関係性や購入の意図をつかむためにどこを見ればいいかが異なるのだと言います。

したがって、モバイルCXデータを収集するだけでは十分とはいえません。ブランドと顧客の関係性をより明確にするには、データを標準化し、コンテキスト化する必要があります。

モバイルファーストな世界の課題

最も大きなの課題の1つとしては、モバイルでの顧客体験がそれぞれで異なる以上に大きな課題のは、モバイルデバイスが独自の顧客識別子とエンドポイントを持っているため、同じ顧客とであっても別々のデータとして取り扱われてしまうことが挙げられます。同意とプライバシーを一元管理できていないと、モバイルでの顧客体験のデータの流れを統制して管理することが、障害になる可能性があります。

情報の連携ができないという課題を解決するには、他のチャネルの顧客体験データを使ってモバイル顧客体験データを一元化する必要があります。  この課題解決において、多くの企業がつまずくのは、別媒体で同一の情報や設定などを共有して認証することの実現が困難であるからです。顧客が触れる複数のタッチポイントとつなっている単一の根本的なデータ基盤がなければ、顧客体験はバラバラなままになります。

最後にカイルは、利用が限定される、モバイルデータから価値を得るための開発者プログラムに、マーケターがどう依存しているかについて触れています。データのニーズが変化すると、マーケターの俊敏性を維持する能力が低くなる可能性もあります。

デバイスごとにデータが分散している問題を解決する

ウェブや店舗内の体験と異なるモバイルの顧客体験を作り出さないために、企業は、顧客データに対して一元化されたエンドツーエンドのアプローチを考える必要があります

モバイルデータの一連の流れは、次のようにまとめることができます。

  1. モバイルデータの収集
    モバイルを含むすべてのデータソースにわたってデータを収集し、標準化します。
  2. >コンセントマネジメント
    ユーザーがモバイルアプリで示すプライバシープリファレンスを収集し、遵守します。
  3. シングルカスタマービュー(顧客一人一人の情報を見える化したもの)の作成
    データを一元化して、その使用に同意を得て、シングルカスタマービューを作成することで、より個々に分けられた様々な媒体からの顧客体験を得ることができます。
  4. モバイル連携
    シングルカスタマービューから収集した潜在ニーズに応えるアクションを実行していきます。その際、人気のあるモバイルタッチポイントとの効果的連携を実現します。

モバイルのデータを含む一元化された顧客体験から利益を得るには多くの方法があります。モバイルデータと店舗内体験を組み合わせた強力なユースケースの1つは、ジオフェンシングです。

ジオフェンシングは、リアルタイムでモバイルの地図上の位置データを収集する手法です。例えば、顧客が店舗の近くをを移動しているときに、顧客にとって魅力的なオファー(PRやクーポン配布など)を提供します。また、過去のウェブおよびモバイル上の顧客体験データを活用して、小売業者は過去の購入に関連した商品を顧客に提供できます。

今後、サードパーティCookieは減少し続けることが予想され、個客自身から提供され、認証されているファーストパーティのモバイル顧客体験データは、ブランドと顧客間の関係にとって重要な接点になります。デバイス別で情報が乖離されたままでは、サードパーティCookieデータの喪失によって引き起こされる課題をさらに悪化させるだけです。

Tealium For Mobileの具体例や、Tealium for Mobileがデバイス間の情報乖離をどのように解決するかなど、カイルのプレゼンテーションビデオ(英語)はこちらからご覧いただけます。

Post Author

Robert McCraw - Compiled Rogue

Sign Up for Our Blog

本フォームの送信により、Tealiumの利用規約ならびにプライバシーポリシーに同意したことになります。
Back to Blog

2022年版 CDP 最新動向レポート

企業がどのようにCDPを活用しているかを、世界中の1,000人以上のマーケティングおよびビジネスリーダーを対象に調査

レポートをダウンロード