多くのアジア太平洋地域の消費者に見られる特徴の1つが、技術の進歩に適応し、それを受け入れる点です。その特徴に加え、新型コロナウイルスの流行によって引き起こされた大規模な混乱が相まって、非接触型決済からオンラインバンキングに至るまで、地域でのデジタルファイナンス(外部サイト・英語)の導入が著しく増加することにつながりました。

この急速な導入増加による変化により、これまで金融サービス形態は急速に衰退しており、今日の金融業界は過去を振り返るのではなく、未来を見据える必要があるということを現しています。この業界の企業にとって、この状況は刺激的であると同時に手ごわいものです。なぜなら、ほとんどの企業がこの変化を主導しているのではなく、むしろ変化によって生み出される需要の増加についていこうと必死だからです。

幸いにも、アジア太平洋地域の消費者は、より高度なサービスを求めるようになった一方で、高度なサービスを可能にする個人データの提供に、ヨーロッパや北アメリカの消費者よりも積極的(外部サイト・英語)であることがわかりました。一方で、多くの金融サービス企業は、既存のデータを効果的に適用することはまだ難しいと感じており、顧客を総合的に理解するために、さまざまなデータソースを利用する可能性が高いでしょう。このデータを管理することは煩雑で時間がかかる可能性があり、管理ができるようになってもデータの適用方法が明確になっていないかもしれません。

ですが皆さん、安心してください!効果的な顧客ロイヤルティとエンゲージメント戦略を立てるのには、スキル、インサイト、そして巧みさが必要ですが、適切な技術スタックがあれば管理しやすくなり、労力も減らすことができます。

適切なマーケティングテクノロジースタックを使って成功を収める

消費者の意識が変化し、デジタルトランスフォーメーションが浸透していく中で、金融サービス企業がそのチャンスを活かすためには、テクノロジースタックの構築に時間をかける必要があります。

過去10年間で、顧客エンゲージメント・プラットフォーム(CEP)、アナリティクス・ソリューション、カスタマー・データ・プラットフォーム(CDP)などの優れたテクノロジーを効果的に組み合わせて、消費者に素晴らしい体験を提供する企業やブランドが増えてきました。しかし、企業やブランドにとって適切な技術スタックとは、それぞれの目標や重点分野によって大きく異なります。最良の技術スタックは、企業やブランドとその顧客のニーズに合わせて時間をかけて進化するものです。しかし、優れた技術スタックには、CDPとCEPの両方が含まれている傾向があります。CDPはデータを一元化してアクセス・活用できるようにし、CEPはデータを文脈に合わせて実行可能な状態にして、パワフルで反応の良いメッセージングをサポートします。

クラス最高のマーケティングテクノロジースタックの一部としてTealiumのようなCDPを使用することで、企業やブランドは、その企業のデータエコシステム内の必要な場所でデータを収集、管理し円滑に転送できます。これにより、企業は、組織内でデータへのアクセスが必要である全員が確実にデータにアクセスできるようになり、真のデータドリブンな社内文化の構築が可能になります。さらに、統合された技術スタックによって、CDPを接続レイヤーとして使用して、スピードやパフォーマンスを犠牲にすることなく依存度を減らし、あらゆるテクノロジーの統合スケジュールとパフォーマンスを向上できます。

しかし、技術スタックが各企業の特定の要件に適合するのと同様に、金融サービス企業は、顧客を個人としてリアルタイムに対応(外部サイト・英語)する必要があります。パーソナライゼーションはマーケティングの世界ではちょっとした流行語になっています。しかし、このような応答の早いカスタマイゼーションは、単なるマーケティングの流行という訳ではなく、今日の消費者がカスタマーエンゲージメントの観点から期待しているものです。

企業やブランドは、閲覧履歴やお気に入りの商品・サービスなどのエンゲージメントデータを利用して、パーソナライゼーションを促進して、顧客との継続的な会話を実現することができます。金融分野では、Payomaticのような企業がモバイルアプリケーションの普及率と生涯価値を高めるためにこのアプローチを行っています。IBMは、顧客のライフサイクルに合わせたメッセージングを通じてコンバージョンを劇的に増加させています。

これらの取り組みでは、過去の活動、問い合わせ、およびキャンペーン通知へのアクションが考慮され、顧客が受信した各メッセージにどのように応答したかに基づいて、今後送るメッセージが変更されます。CDPとCEPを使ったデータの活用によって企業は顧客の日常生活をよりよく理解し、コミュニケーションによって製品 / サービスと消費者とのつながりを強化できるタイミングを特定できます。

ファーストパーティデータを使ってCookieを超える

データは、顧客に合わせてカスタマイズされたものを提供するための核となりますが、マーケティングプログラムで活用するデータの種類は慎重に検討する必要があります。近年、EU 一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)のような画期的なプライバシー法によって、多くの企業のサードパーティデータへの依存が深刻な問題になっています。最近では、多くのマーケターが、サードパーティCookieの消滅が間近に迫っていることや、それらがマーケティングに与える影響を懸念しています。

幸いなことに、Cookieやサードパーティデータは、ブランドが理解するべき個人に関する一般的な情報以上のものを提供することができないため、真にインパクトのあるマーケティングにはほとんど関係ありません。金融サービス業界におけるパーソナライゼーションとエンゲージメントの未来は、顧客が好きな企業に同意して共有するファーストパーティデータ(外部サイト・英語)をインテリジェントに活用することにかかっています。

サードパーティデータが無くなるからといって、企業には、パーソナライズされた対応の良い体験を構築するのに必要なデータがなくなるわけではありません。サードパーティデータがなくなる代わりに、必要な情報の提供に同意した消費者から実用的なデータを得るCEPのようなツールに十分な投資をする必要があります。ファーストパーティデータを使用してマーケティングテクノロジースタックを強化し、パーソナライゼーションをサポートすることで、顧客エンゲージメント戦略を、効果的で、法を遵守し、進化するプライバシー保護の状況に耐え得るものにできます。

最後に

アジア太平洋地域の金融サービス分野では、CDPとCEPの採用が急速に拡大していますが、多くの点でまだ初期段階です。金融サービス企業は、顧客との関わり方を変えるために今すぐ行動することで、時代の先頭に立つチャンスを得ることができます。真に役立つデータを見極め、それを効率的に処理し、思いやりのある体験につなげる能力は、金融サービスがよりダイナミックで顧客主導の時代に突入する際に、非常に貴重なものとなるでしょう。

以上で解説したテーマと、それが貴社のビジネスにとってどんな意味を持つか詳細を知りたい場合は、アジア太平洋地域におけるパーソナライゼーションと金融サービス分野の今後の展開に関する全レポート(英語)をご覧ください。

投稿者

Ray Orgunwall
Ray is the Director of Website Development at Tealium

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