顧客のプライバシーを守ることは優れた顧客体験と同じぐらい重要で、企業のマーケティング戦略の設計には不可欠です。優れた顧客体験は良いデータとパーソナライゼーションに依存しており、これらの要素が絡み合っています。パーソナライゼーションを実現するには、マーケターがデータを収集・分析する必要がありますが、多くのマーケターは、データプライバシーが顧客データを集める上で障壁になっていると感じているでしょう。

データプライバシーの現状や、ファーストパーティデータを活用して、プライバシーを優先し、長期的な顧客の信頼を構築する方法、今後起こりうる事に備えるための実用的なヒントを本ブログでご紹介します。
また、プライバシー規制に対応できる同意管理の実現方法をオンデマンドウェビナーでもご紹介していますので、お時間ある方は是非ご覧ください。

データプライバシーは変化する

データプライバシーは最近できた概念ではありません。実際、スウェーデンがデータ法 (Data Act) を制定した1973年に、米国内でもプライバシー法が制定されました。その後1995年にはEUデータ保護指令 (European Data Directive) が発令され、それ以来、EUのGDPR (一般データ保護規則) を含む新しいプライバシー関連の法律や規則、および米国のCCPA (カリフォルニア州消費者プライバシー法) など各州のプライバシー関連の法律が、データに関する消費者の権利を守っています。

このように、データプライバシーに関する規制は絶えず変化しており、これらの要件に合わせてビジネスを適応させるための戦略も進化させなければなりません。 新規のまたは変化していくデータプライバシーの規制は、企業が顧客データを収集し活用していく中で影響を与え続けます。今日の企業は、顧客との強力な信頼関係を築くために、常に変化するデータプライバシーの規制を把握し対応していくことが重要です。

プライバシー規制に合わせてビジネスを適応させる戦略を「設定するだけでその後何もしない」ことのないよう、常に進化させていかなければなりません。

顧客との強力な価値交換は必須

サードパーティCookieを取り巻く環境は日々変化しており、企業はデジタル広告の効果を損なわないために新たな方法も探さなければなりません。多くの企業がこれを課題だと考えている一方で、今こそ企業が顧客と長期的な信頼関係を築くまたとない機会でもあります。顧客と強力な価値交換を確立することは、効率的かつ信頼できる方法でマーケティングの取り組みを推進させるために必要な同意を顧客から得るための鍵になります。

今日、初めてウェブサイトにアクセスして最初のページを開くと、次のような表示がよく現れます。そのサイトが提供するサービスまたは製品の詳細を知る前に、訪問者のデータの収集と追跡に関する同意のメッセージが表示されるのです。身に覚えがありませんか?

このような方法自体は間違いではありませんが、同意を求める際にカスタマージャーニーを取り入れると、同意を得るだけでなく消費者との信頼の基礎を築く上でもより良い影響をもたらします。

サイト訪問者自らがメールアドレスを入力したりなど、個人情報を積極的に提供するようなウェブサイトを訪れる際には、訪問者が行う従来のインタラクション (ホワイトペーパーのダウンロード、フィードバックフォームの送信、ニュースレターの購読など) が、 ちょうど良いタイミングで同意を求めるステップになります。消費者が個人情報を入力する際にバナーやポップアップによって、収集するデータの種類、その使用方法および保護方法、そして消費者が個人情報の利用に同意した場合のメリット (例えば、パーソナライズされた広告配信など) について明確な説明をする必要があります。 ここで得られるファーストパーティデータは個人から直接提供されるため、より正確で質の高いデータとなり、パーソナライゼーションや顧客体験の向上に活用できます。

プライバシー規制の変化に備えるデジタルマーケティングの方法

顧客のプライバシーと価値交換について考えるとき、法律を遵守しながら顧客の期待に応え続けることができる3つのポイントを意識しましょう。

  1. データを個々のテクノロジープラットフォームで使用せずアーキテクチャを一元化する

    従来は、消費者データが多数のテクノロジープラットフォームに別々に入力されるのが一般的でした。当然、これがデータのサイロ化につながります。今日のプライバシー環境でこの方法を継続すると、データの消失、重複や不正確さを引き起こすリスクが非常に高くなります。顧客データをテクノロジーエンドポイントに送信する前に、データを一元化することが不可欠です。

    そこで、CDH (カスタマーデータハブ) の出番です。CDHを使用すると、全てのデータが最初から一元的かつリアルタイムに集められるため、データ管理の効率と予測性が大幅に向上します。CDHは、デジタルとオフラインの両方のタッチポイントから同意パラメータを含む消費者データを受け取り統括することで、消費者データに基づいて行われる全ての決定を行う仲裁人のような存在です。ここでは、維持するデータ、保護するデータ、管理する必要があるデータが決定されます。これらのデータは、顧客と行われた価値交換に従って管理されます。CDHによって、企業はプライバシーに関する規制をより容易に遵守できるようになると同時にデータのサイロ化による非効率性も解決できます。

  2. ファーストパーティアプローチを実行する

    サードパーティCookieの利用が制限されると、クロスドメイントラッキングの機能と正確なアトリビューションが大幅に制限され、場合によっては完全になくなることもあります。今後対応していくための唯一の解決策が、ファーストパーティアプローチへの迅速な適応です。

    「ファーストパーティアプローチ」とは、顧客データの収集と顧客プロファイルの構築に必要なテクノロジーを所有する企業の戦略です。これは、企業が所有および運用するドメインでのみ、全ての消費者データの収集を行えるということを意味します。データの中には不明な情報源から購入されたものはなく、自社が所有しないテクノロジーによってデータが収集されることもありません。ファーストパーティデータは、消費者データの利用に関する同意を得た消費者から直接提供されるため、コンプライアンスに準拠し、信頼性が高く、より正確です。

  3. データサプライチェーンの自動化

    最後に重要なのは、データサプライチェーンの自動化です。データを一元的に管理して、ファーストパーティアプローチに切り替えるだけでは不十分です。顧客プロファイルをリアルタイムで作成および変更できるように、構築しているデータサプライチェーン全体を自動化する必要があります。

    自動化は、業界を問わずコストの削減とリスクの軽減を実現する手段であり、デジタルマーケティングを行う上でも重要です。データサプライチェーンを自動化することで、顧客データのセグメンテーションに何日も待つ必要がなくなり、デジタルマーケターとして目指す水準により早く到達することができるでしょう。顧客データが表面化した瞬間から、そのデータを必要とする他のテクノロジーに配信するまでの、データサプライチェーンをエンド・ツー・エンドで自動化する事が最も重要なのです。

    ただ自動化するだけでは不十分で、リアルタイムで処理できなければ意味がありません。これは、2021年以降、消費者が期待していることであるというだけでなく、もし消費者がプライバシー法に基づいて、データ修正の権利、アクセスの権利、消去の権利などのデータ主体アクセス要求 (DSAR) を履行する場合、企業は消費者のプロファイルをリアルタイムに把握している事が求められるからです。ソリューションコンサルティング 北米&中南米 地域担当副社長である Ted Sfikasも「自動化はリアルタイムで行う必要があります。パーソナライゼーションのためだけでなく、プライバシーでそれが必要だからです。」と説明します。

最新のプライバシー規制法を概観しつつ、Tealiumを用いてそうした規制に対応できる同意管理の実現方法をデモを交えてご紹介したオンデマンドウェビナーをいつでもご覧いただけます。

Tealiumでどのように絶えず変化するプライバシー状況に対応し、データサプライチェーンの自動化を推進し、お客様が感動するような顧客体験を演出する方法については、お気軽にご相談ください。

投稿者

Tealium Japan

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