ファーストパーティデータ戦略が話題になることも増えてきましたが、ファーストパーティデータ戦略とは何か、またファーストパーティデータ戦略をどのように考えるべきかについてはあまり議論されてきませんでした。実際、顧客を持つ企業にはファーストパーティデータ戦略があります。ですが、それが意図的かつ効果的であるかどうかが問題なのです。

最初に「ファーストパーティデータ」(英語)とは、「貴社が」顧客から直接取得するデータです。つまり、このデータは、データ市場や販売業者、あるいは他のサードパーティを通じて購入した、企業やブランドが実際に関わりを持っていない人々のデータではありません。ファーストパーティデータ戦略は、このデータを活用してビジネス目標を実現するための計画になります。サードパーティCookieを取り巻く環境が変化している今こそ、顧客から直接提供されたデータを活用して、差別化された顧客体験を実現する絶好のタイミングなのです。

では、ファーストパーティデータ戦略をどのように考えるべきでしょうか?ここでは、この戦略を始める際の基本事項をご紹介します。

#1 – ビジネス目標:ユースケース(活用シーン)と目標の定義

ファーストパーティデータ戦略は初めてかもしれませんが、貴社の目標は昔から1つです。当たり前のことですが、まずは顧客のためにすべき事から始めましょう。オムニチャネル体験の提供ですか?リアルタイムでのパーソナライゼーションの実行ですか?カート放棄した人へのリマーケティングですか?または、顧客行動をより良く理解することでしょうか?事実、ファーストパーティデータを活用することで、あらゆるプログラムを改善できます。初期段階から正し針路を設定することで、大きな成果が得られます。

#2 – 対象となる顧客:顧客ライフサイクルとオーディエンスセグメントの定義

独自の顧客ライフサイクルを定義すると、訪問者はさまざまな状況でさまざまなチャネルを通して貴社ビジネスにエンゲージしている重要な過程を把握できるようになります。これにより、訪問者にさまざまなマーケティング施策を適用できます。

オーディエンスを定義してターゲットするには、適切なファーストパーティデータが必要です。データを取得するための主要なチャネルは、ウェブ、モバイル、アプリ、CRM、通信チャネル、製品などです。しかし、パーソナライズされたマーケティング戦略を策定する前に、まず訪問者を特定し、購買意向の強いグループにセグメント化する必要があります。

訪問者(ペルソナ)は、一般的な人口統計、企業特性、アフィニティ(親近感)、オンライン行動、または組織にとっての認識価値によってセグメント化できます。

#3 – 必要なデータ:データソースとは?すべてはデータ収集から始まる

ステップ2では、適切なファーストパーティデータは、顧客のライフサイクルとオーディエンスセグメントの定義に役立ちました。しかし次の点においてはあまり明確ではありません。(1) ユースケースとオーディエンスを支援するのに必要な明確なデータポイント、(2) それらのデータポイントを取得する方法、(3) 現在は無いデータポイントを取得する方法です。

データとチャネルをどのように組み合わせて顧客体験を演出するかを明確にしましょう。データを通じて顧客を理解するにはさまざまな方法があり、それは単に収集するデータポイントだけでなく、そのデータを組み合わせてエンリッチ化し、新しいインサイト(洞察)を生み出す方法でもあります。

例えば、多くのファーストパーティ中心のプログラムはトランザクションデータを必要とします。しかし、コンテキストを考慮しないトランザクションデータだけではあまり意味がありません。顧客体験全体を理解するには、最後に製品を購入してからどれくらいの時間が空いているか、最後に使った製品は何か、生涯価値など、派生するインサイトが必要です。重要なのは、すべてのデータを結びつけ、そこから精度の高いインサイトを得ることです。

#4 – 必要なシステム:インサイトをどこで使用したいですか?

ステップ 2での顧客ベースをセグメント化する方法は、ファーストパーティデータ戦略においても大きな役割を果たします。優良顧客はたくさん買ったり、頻繁に買ったりしてくれる顧客です。製品のファンは、2回の閲覧でも100回の閲覧でもファンとして定義できます。セグメンテーション戦略は、データへのアクセスとともに進化する生き物のようなものです。どのチャネルでどのインサイトを使用するかを決めることで、オーディエンスの固有のニーズに合わせてカスタマイズされたオムニチャネル体験を構築できます。

インサイトは、それを使う能力が結果を左右します。インサイトは、インテリジェントで関連性のある顧客体験を自動化することによって、1か月後には単なるレポート以上に価値あるものになります。

#5 – 測定:何を測定したいですか?

最後に、重要なのは…測定です!これは、目標を定義し、測定し、成功を確実にするために必要となる、報告と監視を確立する継続的なプロセスです。成功の判断にどのデータポイントを使用しますか?このフェーズでは、ステップ1~4で構築した「顧客の理解」を、分析中のどこで、どのように表すかを定義します。

これまでに作成したファーストパーティデータ基盤に組み込まれたインサイトは、顧客体験ツール(Eメール、ウェブサイトパーソナライゼーション、ディスプレイ広告)、所有する場所(アプリ、モバイル、ウェブサイト、IoTなど)、分析ツール(ビジネスインテリジェンス、データウェアハウスとデータレイク、機械学習など)を促進するために重要です。

効果的な測定戦略の検討事項には、使用するレポートツールとプラットフォーム、適切なリソース配分、定期的なチェックイン、および報告/測定情報の受信者からの定性的なフィードバックが含まれます。

最終的には、少なくとも最初に特定したユースケースについてのファーストパーティデータ戦略を持つことになるでしょう。カスタマージャーニーのすべての段階をカバーするユースケースに対して、このプロセスを繰り返します。そうすれば、企業やブランドのデジタルトランスフォーメーションへの道が開けます。すべては、堅牢なファーストパーティデータ戦略に基づいており、各段階で次のようなプランが用意されています。

強力かつ効果的なファーストパーティデータ戦略を構築する方法については、お気軽に弊社までご相談ください。

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