企業がカスタマーデータプラットフォーム (CDP) を導入する際、『CDPを購入するべきか、それとも自社で構築するべきか?』という疑問にしばしばぶつかります。しかし、実際のところCDPを構築するか購入するかは、単純に『はい』、『いいえ』で判断できるものではありません。導入を成功させるためには、時間、コスト、そしてビジネスにとって重要となる要素について議論する必要があります。
ホワイトペーパー『CDPを構築するか購入するか?ビジネスに最適なアプローチの選択』では、Customer Data Platform Institute (CDPI) のDavid Raab氏が、最高のビジネス価値を生み出すために、何を構築し、何を購入するべきかという、より現実的な問題に焦点を当てています。これにより、企業がどのように前進できるかを説明しています。
ここで、顧客体験を最適化するのはチームスポーツだということを忘れてはいけません。マーケティング部門とIT部門は常に協力し合い、企業で運用するマーケティングシステムやサービス、ベンダーについて最善の決定を下していると思いますが、CDPについても同様です。自社でソリューションを構築する場合と、ベンダーからソリューションを購入する場合には、それぞれ長所と短所があります。ビジネスに価値を付加するには、柔軟かつハイブリッドな取り組みが最適です。
Raab氏とCDPIは、CDPの購入するか構築するかの議論における推測を止め、以下の方法を検討しています。
- ビジネス価値の創出とコスト要因の評価
- CDPのどのコンポーネントを購入して、どのコンポーネントを構築するのが合理的かを決定する
- ビジネスユーザーとITチームの双方に協力を促す
- 各アプローチの選択が、収益、ビジネスユーザー、開発費用、サポート費用、機会費用、および全体的なリスクに与える影響を理解する
- CDPの主な価値基準を活用する
- 貴社にとって正しい選択に向かって前進しましょう!
Tealiumのお客様からの声
Tealiumは、特定のソフトウェアを購入する際に、ベンダー中立でありながら、何を構築することが最も妥当であるかを判断するのに役立ちます。2021年5月に開催されたTealiumのイベント『Digital Virtualocity』で、Fortune 100企業であり米国最大の金融サービスおよび保険会社の1社でもあるUSAA社は『構築と購入の決定』について語りました。また、同社は、TealiumとAccenture社と協力して、CDPを『good』から『GREAT」なシステムに引き上げました。
顧客体験は、あらゆるCDPの重要な成果であり、USAAにとって重要な要素です。顧客からの質問やリクエストには即時に対応できなければなりません。
『1時間では十分ではありませんでした』とJohn Salinas氏は言います。『クリックされて5分以内に、データが必要となるユースケースが出てきました。さらに30秒以内にデータが必要なケースも出てきました。調査したところ、現在のアップストリームのデータフィードでは、技術的に必要な速度をサポートできないことが判明しました。』
CDPを構築する際に考慮すべき重要な要素は次の2つです。
- 現在のデータプロセスは、自社のビジネス規模に対応できるのか?
- もしできない場合、顧客体験に影響を与えずにビジネスを拡大することができるか?
十分な時間と投資があれば、ブランドや企業は必要な対策、セキュリティ、規模を確実に作り出すことができますが、Tealium Event Streamのような、より即効性のある選択肢があることも確かです。
EventStream API Hubを導入することで、USAAはリアルタイムにデータにアクセスし、不正検出、チャネル間での意思疎通、顧客体験に関する取り組みを推進することができました。さらには新型コロナ感染症によるパンデミック時には、USAAが会員を支援するのにも役立ちました。
ビジネスケースの構築
適切な技術を追求する際の大きなハードルは、ビジネスケースをまとめることです。以下は、AccentureのBrad Herndon氏からのアドバイスです。
『正直に言うと、テクノロジーベースのものは最終的に安くはありません。ですから、私たちがビジネスケースを構築する方法は、運用から活用まで、つまり、コストはどれ位で、どのように使用し、どのようなチャネルとチームが恩恵を受けるのか、ということです。』
CDPの主なユースケースはマーケティングですが、組織内の他の部署でも、サイロ化したデータの解消、より完全な顧客ビューの獲得、より強固な顧客関係の構築、プロジェクト固有のカスタム統合の回避などのメリットがあります。CDPIがホワイトペーパーで指摘しているように、構築と購入の判断にはビジネス価値に基づいた取り組みをおこない、開発費用だけでなく、収益への影響、ビジネスユーザーへの影響、サポート費用、アップグレード費用、機会費用(リソースと時間の両方)、およびそれぞれに関連するリスクを考慮しなければなりません。
結論として、TealiumはこのCDPのビジネス価値を推進するために存在します。
『Tealiumは、非常に魅力的なマーケットプレイスを構築しています』とSalinas氏は言います。『Adobe AnalyticsやGoogle広告などのサードパーティアプリケーションとの連携…パーソナライゼーションやSNSアプリケーション、Facebookとawsとの連携…これらのシステムとの連携を実現するための労力が非常に少ないことも魅力です。そして、そのサポート、ケア、供給、および保守は、間違いなく自社でこれらを構築するよりもはるかに少ない労力ですみます。』
構築と購入を組み合わせることで得られる成果
CDPにはさまざまな要素が含まれています。例えるならそれは家のようなものです。一から新築で家を建てることもできますし、中古物件買って、塗装、増築、改装、お風呂場やキッチンのアップグレードなどで、自分好みにすることも可能です。このように、すべてを構築するか、すべてを購入するかの単純な選択はありませんが、前に進むための努力は必要です。
適切な質問をすれば、適切な答えが得られるはずです。また、ビジネスユーザーとIT部門の双方が意思決定に協力して、全員がすべての情報を入手・共有して、あらゆるシナリオを検討し、将来のニーズに関する不確実性を特定できるようにします。ブランドや企業が、CDPを構築するか購入するかを選択する際に苦労するのは普通ですが、考え抜かれたCDPからは苦労した以上の成果が得られるでしょう。
Salinas氏は次のように述べています。『最初のデモで、1つのウィンドウでウェブサイトをクリックして操作すると、別のウィンドウでそれらのインタラクションがリアルタイムで表示されたのです、最高でした。15分とか30秒以内ではなく、ウェブサイトでクリックしてから1秒未満です。言うまでもなく、“good”から“GREAT”へと評価が変わった瞬間でした。』
CDPを構築するか購入するかの決定方法についての詳細は、『CDPを構築するか購入するか?ビジネスに最適なアプローチの選択』をご覧ください。