Tealium Digital Velocity Tokyo 2021 – 【国内事例】アマゾン ウェブ サービス ジャパン (AWS)

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Tealium + AWS で実現するCustomer Experience (CX) の向上

 

ユーザー企業のデジタル戦略を支援するパートナーの中から、クラウドサービスを提供するアマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社(AWS)のシニア事業開発マネージャーの甲谷優氏による講演を紹介します。

 

AWSレイクハウスアーキテクチャによりデータ量の増大や分析ニーズの増加に対応

デジタルマーケティングを取り巻く環境が変わる中、大きな課題になっているのがイベントデータの爆発的な増加です。クラウドサービスへの移行が加速し、データの保存容量に制限がなくなった結果、多数のシステムのデータが集まるようになりました。分析ニーズやツールも多様化し、Deep Learningで画像分析を実行したり、他社データを活用したりする新たな動きも出始めています。

そのため、従来のモノリシックに統合された基盤ですべてをカバーすることは困難になっています。オンプレミス環境ではデータ容量に応じてディスクを増設しなければならず、コストや時間がかかります。広告最適化、顧客分析、セグメンテーションなど新たな分析ニーズに応えて追加するためには、全体での調整も必要になります。後からよりより良い分析技術が出てきても、容易に対応することができません。
そこでAWSでは「AWSレイクハウスアーキテクチャ」によってそれらの課題を解決に導こうとしています。“レイクハウス”とはデータレイクとデータウェアハウス(DWH)を組み合わせた造語で、両者を組み合わせて使うことを意味しています。

AWSレイクハウスアーキテクチャでは、オブジェクトストレージのAmazon S3を中心に相互に連携する分析エンジンを、目的に応じて選ぶことができます。甲谷氏は「分析エンジンは個々に動作するのではなく、データの保存場所を意識することなく、相互に利用できることがポイントです。統合されたガバナンスにより、アクセスコントロールも一元管理することができます」と話します。


AWSレイクハウスアーキテクチャ

TealiumとAWSの組み合わせにより顧客の360°ビューを実現

続いて甲谷氏は、CXの実現にあたり解決すべき課題とソリューションについて話を進めました。単一の顧客ビューを構築するうえでの課題は、データの分散、アクションにつながるインサイトの実現、個人情報の取扱い、データの共有、信頼できる顧客データの取得、技術知識の欠如の6つです。

顧客ビューが分散・断片化すると、誤ったビジネスの意思決定や戦略につながりかねません。顧客の洞察と効果測定にも影響を及ぼします。その他にもデータドリブンで意思決定する競合との競争に勝てない、顧客が求めるレベルのコミュニケーションに達しない、顧客データが分散して資産が活かせない、コンプライアンス/法規制への対応ができない、データガバナンスが効かない、CXのプロジェクトが進まないといったリスクがあります。

そこでAWSでは、顧客の360°ビューを実現するために必要なものとして「ハブ」をイメージした以下のような機能を挙げています。

  • データ抽出 / 統合と他のツールへのデータ連携
  • 信頼できる顧客データの構築
  • 組織横断された顧客データ
  • 顧客個人の分析とセグメント
  • 機械学習 / AIを使用したレコメンド
  • 顧客へのメッセージ送信 (メール、広告、Webコンテンツ、モバイル等)
  • リアルタイムのデータ連携 (Webサイト、アプリ、Call Center Programmatic)
  • オフラインとオンラインデータの統合 (OMO)

これらの要件は、TealiumのツールとAWSのソリューションによって実現が可能です。「一体化を目的とした顧客プロファイルとID解決の基盤はAWSで構築します。Tealiumでは顧客データに対して、他のデータを接続してよりリッチな顧客プロファイルを作成したり、文脈をふまえた意思決定を実施したり、リアルタイムに近い形で反応・検知してアクションを実行することができます。Customer 360°データプラットフォームの成熟度曲線は以下のようになります」と甲谷氏は説明します。


Customer360°データプラットフォームの成熟度曲線

オフラインデータの活用でマーケティング施策を高度化

CXを実現するためのTealium+AWSのアーキテクチャ例は以下のようになります。従来のマーケティングでは、PC、デバイス、Web、SNS等でデジタルデータを取得してTealiumでマーケティング施策を実行していました。AWSを活用することでオフラインデータと連結することが可能になります。オフラインデータはオンプレミスでもクラウドでも別の環境にあっても構いませんが、データベースの中のデータをAWSのマイグレーションサービスによってデータレイクに集約することになります。

データレイクに蓄積したオフラインデータとTealiumのデータの両方を使うことで、より高度な分析を行うことができます。例えば、デジタルデータでは追えなかった顧客の購入履歴もわかるようになるため、すでに買った商品には広告を出さないといった連携が可能になります。さらにデータレイクに対して生のデータはETLツールのAWS Glueで加工し、それをAmazon RedshiftなどのDWHに格納してBIツールで分析。結果をマーケティング施策にフィードバックしてPDCAサイクルを確立することも可能です。

「マーケティング施策では、初回から100%のCX実現は難しく、外部環境の変化にも影響されます。そのため、分析結果をもとに継続的に改善を続けることが重要です」(甲谷氏)


Tealium+AWSのアーキテクチャ例

AWS Analyticsはすでに多くの企業で活用されています。大手航空会社では、AIや機械学習、IoTなどの活用による高度な分析を目指して、DWHをオンプレミス環境からAmazon Redshiftに移行し、分析業務の大幅な効率化と高度化を実現しました。ECサイトのAmazon.comでは、Amazon S3でデータレイクを構築し、さまざまなツールで分析しています。「集約されるデータ量が100PB、分析ジョブも1日60万とケタ違いに大きいAmazon.comにおいて、Amazon Redshift、Amazon Redshift Spectrum、Amazon EMRを適材適所で活用しながら、デジタルマーケティングを実施していることが注目して欲しいと思います」と甲谷氏は語ります。

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