CDPの導入は簡単なことではありません。CDPを導入すると顧客体験を管理する部署に大きな影響が出るためです。

しかし、どうしてもCDPを導入したいと考えているマーケターの方もいるでしょう。「なぜCDPの選択は難しいのか(英語)」の記事でも紹介している通り、非常に多くの選択肢の中から最適なCDPを見つけるには、比較・評価のための複雑な作業が必要になるからです。

本記事では、そのようなマーケターの方が「CDPを選定するため」に社内で行うべき7つの質問と、ベンダーに行うべき8つの質問を紹介します。

CDPを導入する前に社内で行うべき7つの質問

1. 現在、組織に10以上の顧客データソースがありますか?(例: Web、SNS、モバイルアプリ、IoT、サーバー、CRMシステム、ヘルプデスクシステムなど)

ほとんどの企業にはさまざまな種類の顧客データソースがありますが、多くの場合、それらの情報は一元化されていない(サイロ化)ことがあります。このようなデータのサイロ化により、複数の顧客データを一元的かつシームレスに利用できていないのです。これでは、より良い顧客体験を構築し、提供する上で部署間の連携が妨げられてしまいます。まさにこの問題をCDPで解消できます。

2. 10社以上の異なるマーテックベンダー(FacebookMailchimpOptimizelyAdobeSalesforceInvocaLeanplumなど)を使用していますか?

今日のマーケターや分析担当者は、厳しいマーケット市場で勝ち抜くために優れたテクノロジースタックを構築(外部サイト・英語)しなければなりませんし、使いこなさなければなりません。データファーストなCDPは、特定のベンダーに依存する事なくシームレスなデータフローを可能にし、統一された顧客体験を提供します。

3. 顧客体験に関するデータは、マーケティング以外の部署にも共有されていますか?

CDPは、主にマーテックスタックに限定されてきました。しかし、顧客体験に関するデータが、マーケティング以外の部署でも広く共有、利用されているのであれば、CDPを活用すべきです。

その際に、顧客満足度向上のためにCDPを有効活用するには、すべての顧客接点で、マーケティング、分析、データ、カスタマーサクセスなど、必要な関係者に積極的に参加してもらわなければなりません。

4. IT部門は、ETL(抽出、変換、格納)サイクルを行っていますか? または、異なるチャネル、アプリケーション、およびデータソースを統合していますか?

現在CDPを導入していない企業では、顧客データを一元化するために、チャネル間でのデータのインポートやエクスポートなど、特定の連携を手作業でおこなわなければなりません。CDPがこの作業にどのような影響を与えるかを理解することは、テクノロジーの価値を最大限に生かすことにもなります。

5. アナリストやデータサイエンス担当者は、作業時間の20%以上をデータラングリングに費やしていますか?

データラングリングとは、生データ(rawデータ)を使用できる形式(分析やアクセスなどが可能な形)にするためのプロセスのことです。

CDPはデータがシステムに入力される前に、すべてのソースから収集および標準化することができるため、もし20%以上の作業時間をデータラングリングに費やしているのであれば、CDPを導入することで分析などより生産的な作業に使える時間を増やすことができます。

6. 付加業務(顧客サービス、分析、IT、財務、運用など)では、関連する顧客データをツールやプロセスで活用する必要がありますか?

ほとんどの方はCDPをマーケティングテクノロジーと考えています。しかし、顧客体験はマーケティング部門のみの課題ではありません。データファーストのCDPでは、企業が保有する顧客に関するすべてのデータを収集、送信するための統合された方法を確立することで、顧客ライフサイクル全体のデータ基盤を構築することができます。

7. 顧客データを監査して絶えず変化するデータプライバシー規則を遵守する能力に不安を感じていますか?

おそらくほとんどの方が不安を感じているのではないでしょうか。

CDPを使用せずに顧客データのすべてのソースとアウトプットを管理および制御するには、IT部門が大きな負担を抱えることになります。しかし、データファーストなCDPでは、データの作成から変換、活用に至るまでのデータを監査できるため、データ品質を管理し保護するために必要な作業を減らすことができます。

CDPを導入する前にCDPベンダーに問うべき8つの質問

1 .どのようにデータを収集し、誰がそのデータを所有するのですか?

今日、企業ではかつてないほどの大量なデータを管理する必要があります。

もし、CDPのプロバイダーが、自社のテクノロジー環境内のすべてのチャネルとソースからデータを収集し、所有する機能をユーザーに提供していない場合、シングルカスタマービュー(360°ビュー)を構築することは困難です。顧客データを所有せずに、コンプライアンスとそのデータの将来性を確保することができるでしょうか?

すなわち、すべての顧客データを自社で管理でき、ファーストパーティデータに変換できるCDPを選択しなければなりません。

2 .このCDPテクノロジーは自社で開発・構築したものですか?それとも企業買収によって得た技術を利用して構築したものですか?

今日、CDPを取り巻く環境は拡大し続けていますが、すべてのベンダーが同じように設立されたわけではありません。

CDPベンダーには大きく分けて、

  • すべてのソースからのデータをシームレスに統合するために、自社でCDPを開発・構築している企業
  • 他社の技術を買収してCDPを構築している企業

の2種類が存在します。

後者は、顧客データに対する統一されたアプローチではなく、煩雑なアプローチとなることもあり、結果的に非効率なサービスに依存することになる可能性があります。

3 . このCDPは、いくつのデータソースからデータを収集できますか?

CDPは、タグ、API、SDK、JavaScript、Webhook、ファイルインポートなどを通じて、クライアントサイドとサーバーサイドの両方で、あらゆる場所からデータを収集できる必要があります。Tealiumは、エンタープライズタグマネジメントシステムとAPIハブを独自に提供しています。これは、CDPと同様、特定のベンダーに依存せず、顧客データがどこにあっても管理することができます。

4 . 既存のツールに統合できますか?

CDPの価値は、テクノロジースタックに統合できるテクノロジーの数によって決まります。

多くの主要テクノロジーに多額の投資を行っていても、全ての部門が統一された方法で一元化されたデータを利用できなければ、それはただサイロ化が進んだ状態ということになります。

5 .このCDPは、顧客の地域や業界に固有の強固なプライバシーデータに関する規制や基準を満たすツール、製品機能、サービスを備えていますか?

プライバシーと信頼は企業にとって重要な要素です。顧客データはますます規制されるようになり、データがどのように処理されるか、または不正な処理が行われていないかについて、消費者は以前にもまして意識するようになっています。CDPベンダーが、顧客と同じようにセキュリティとコンプライアンスを重視しているか確認しましょう!  HIPAA、PCI、SOC2Type II、Privacy Shield Framework、ISO、その他のクラス最高のセキュリティおよびプライバシー管理などのプライバシー認証を取得しているかも確認しましょう。

6 .貴社は、顔認証やIoTなどの新しいテクノロジーに対応できますか?

顧客体験は新たなテクノロジーによって常に進化しています。つまり、新しいデータソースとそのデータの新しい使用方法(英語) を意味しています。これらの新しいテクノロジーは、消費者の期待を変えつつあり、消費者はよりリアルタイムの顧客体験を求めるようになります。

特定のベンダーに依存せず、独立したデータレイヤーを構築できるCDPプロバイダーを使うことで、企業はこれらの新しい要件を満たすアジリティ(俊敏性)を得ることができ、他社の技術ロードマップに振り回されることもありません。

7 .信頼性と拡張性はありますか?

顧客データは、あらゆる企業にとって最も価値ある資産の1つです。たとえわずかな稼働時間(アップタイム)の変化でも、データが遅れたり失われたりすると、コンプライアンスやパーソナライゼーションに問題が生じる可能性があります。ベンダーが、グローバルおよび地域のデータセンターのニーズを満たすことが可能で、信頼と利用の実績があることを確認しましょう。

停止時間(ダウンタイム)は大きな懸念事項ですが、CDPのような基盤的なテクノロジーでは、CDPを撤廃する際のコストについて十分に議論されないこともあります。

新しい地域への適用拡大や処理するデータ量の増加に伴うシステム交換などが必要なく、ビジネスに合わせて柔軟に拡張・成長できるデータファーストなCDPを選びましょう。

8 .機械学習機能を備えて(もしくは今後の機能拡張計画に入って)いますか?

今後数年間で、機械学習はビジネスの運営方法さえも大きく変えるでしょう。CDPは、企業が抱える最大の課題をリアルタイムで解決するために、機械学習が活躍できる分野の1つです。

いかがでしたでしょうか?

CDPプロジェクトを開始する際に、当社のデータファーストアプローチがどのように役立つか、より詳しく知りたい方はぜひお気軽にお問い合わせください

また、ブログリソースライブラリでは、お客様がCDPについて理解を深めていただける、もしくは導入の判断をするための一助として参考にしていただけるコンテンツを多数ご用意しています。

Post Author

Hilary Noonan
Hilary is Director of Content at Tealium.

Sign Up for Our Blog

本フォームの送信により、Tealiumの利用規約ならびにプライバシーポリシーに同意したことになります。
Back to Blog

2022年版 CDP 最新動向レポート

企業がどのようにCDPを活用しているかを、世界中の1,000人以上のマーケティングおよびビジネスリーダーを対象に調査

レポートをダウンロード