2023年末までにサードパーティCookieが廃止されることが予定されています。これは多くの企業にとって新しいデータ戦略が必要になるということ。多くの人々は、サードパーティCookieの「廃止」が、マーケターに新たな課題をもたらすのではないかと心配しています。これは部分的には正しいのですが、意味のあるマーケティングの瞬間を作り出し、顧客との深い関係を構築できるまたとない機会でもあります。

しかし、Cookieの廃止が予定されている中でどのように顧客との深い関係を構築すればいいのか分からない方もいるでしょう。ご安心ください。Tealiumが公開している、 最新のマスタークラスウェビナーシリーズ「Preparing for Life Beyond the Third-Party Cookie(サードパーティCookieの先にあるものへの準備)」では、その核心を掘り下げ、Cookie無き後の世界でクラス最高のデジタルCXを提供するための実用的なヒントをお教えします。

本ブログをこのまま読み進めるか、マスタークラスウェビナーシリーズのオンデマンドセッションをご覧ください。

データ非推奨とは何か、なぜ考慮すべきなのか?

企業が顧客データをどのように利用しているのかについて、大きな変化が3つあり、この変化がデータプライバシーの将来像を形成しています。これらには、サードパーティCookieの消失、GDPRやCCPAなど規制の変更、データ収集の管理強化などのブラウザの更新などが含まれます。つまり、「データの非推奨(Data deprecation)」が進んでいるということです。Forrester社の造語である「Data deprecation]とは、規制、ブラウザ、ウォールドガーデン、または消費者行動による「消費者データのトラッキングおよびアクセスの制限」のことです。これは、進化するプライバシー法に適応しつつも消費者の期待に応えるには、私たちはデータ戦略を考え直す必要があるのです。

1つ確かなこと…

データプライバシーはいつも同じではなく常に進化しています。そのため、プライバシー要件に合わせてビジネスを適応させる戦略も必要です。「設定するだけでその後何もしない」では意味がありません。次々に変化する規制は、企業がどのようにデータを収集して使用するかに影響を与え続けます。企業はプライバシーの取り扱いに違反して罰金を払ったり、適正なデータマネジメントを行っているというPR活動に費用を投じたりすることを止め、代わりに顧客との強固なファーストパーティの関係性を構築していくべきです。そのためには、プライバシーに関するルールの変化を常に把握することは、企業の責任です。

なぜCookieはアドテク(広告テクノロジー)のエコシステムにおいて重要なのか?

データ戦略の再構築について説明する前に、なぜサードパーティCookieの消失がこれほど大きな影響を与えるのか、その理由を理解しておきましょう。

何年もの間、Cookieはアドテクツールがチャネル間で消費者を識別する方法の中核をなしてきました。Cookieによって、私たちが誰であるかを明示的に伝えていなくても、広告プラットフォームは私たちを識別することができました。これは、アトリビューション、ユーザーとの関連性、広告主の収益、パブリッシャーの収益化などの観点から、デジタル広告システムにとって非常に重要です。しかし、サードパーティCookieの消失によって、これらの広告テクノロジーがかつて所有していた権利を企業に取り戻せるのです。すなわち、企業は今やデータの管理者なのです。

データ戦略のために何をすればよいのか?

サードパーティCookieに頼ることができなくなることで、企業はデジタル広告に対処する新たな方法を探さなければなりません。戦略を再検討する際に考慮すべき、以下のヒントを参考にしてください。

  • 永続性のあるファーストパーティデータコアを構築する

これは重要なことなので何度でも言います。サードパーティデータに頼ることができない今、ファーストパーティデータ戦略の導入は、パーソナライゼーションとプライバシーの目標達成には必須です。

ファーストパーティデータ戦略の導入は、データ収集から始まります。一度明確な同意が得られれば、すべてのファーストパーティ インタラクションの収集を開始して、リアルタイムで作業を行い、顧客との個人的な関係を構築できます。その結果、より正確で信頼性の高いデータが得られ、マーケティング活動や顧客第一の体験を促進できます。

  • 強力な価値交換を確立する

訪問者に対してどのような価値を提供しますか?ファーストパーティ主導のアプローチを決定した場合、訪問者が情報を提供してくれるのと引き換えに、彼らに価値のある提供をしなければなりません。強力な価値交換を確立することは、顧客の同意を得て、顧客とのファーストパーティの関係性を構築するための鍵となります。

消費者の83%は、企業がデータの使い方を透明にして顧客がそれを管理できるのであれば、パーソナライズされた体験を可能にするために喜んでデータを共有すると述べています。そのため、データ使用ポリシーの透明性を確保しましょう。この価値交換を通じて訪問者は認証された訪問数を増やすため、そこからリピーターを特定し、より適切な体験を提供することができるようになります。

要点: 顧客から明確な同意を得るには、収集データ、その使用方法、および顧客が期待できる価値交換を明確に提示する必要があります。

  • データを個々のテクノロジープラットフォームで使用せずアーキテクチャを一元化する

従来は、消費者データが多数のテクノロジープラットフォームに別々に入力されるのが一般的でした。当然、これがデータのサイロ化につながります。今日のプライバシー環境でこの方法を継続すると、データの消失、重複や不正確さを引き起こすリスクが非常に高くなります。顧客データをテクノロジーエンドポイントに送信する前に、データを一元化することが不可欠です。

  • 自動化

データを一元的に管理して、ファーストパーティアプローチに切り替えるだけでは不十分です。顧客プロファイルをリアルタイムで作成および更新できるように、構築しているデータサプライチェーン全体を自動化する必要があります。

  • 迅速に変化を受け入れる

サードパーティCookieが失われても、パーソナライズされた優れた顧客体験を提供できなくなるわけではありません。ファーストパーティデータからより多くの情報を得ることができます。自社で管理できないサードパーティデータに依存するのではなく、自社の豊富なデータセットを活用して、ターゲティング、抑制、リエンゲージメント、パーソナライゼーション、その他の戦術を実行できます。前述したように、ファーストパーティアプローチではデータをリアルタイムで処理できるだけでなく、顧客から直接提供されるため、より正確で完全なデータが得られます。

Tealiumは、一元化された顧客データが最も価値のある資産であると考えています。データを効果的に活用することで、広告やマーケティング全体の効率化と最適化を促進できます。これを望まない人はいないでしょう。

将来を見据えて

マスタークラスシリーズの期間中に、GoogleはChrome内のCookieの有効期限を2023年まで延長すると発表しました。Chromeはブラウザ市場シェアの約50%を占めています。言い換えれば、オーディエンスの約半数は、Cookieを有効にしていない、Chrome以外のブラウザを使用しているということです。有効期限が延長されたことで企業に新しいデータ戦略を策定するための時間的余裕が与えられた今こそ、行動を起こす時です。この期間を利用して、テストや測定を行い、サードパーティCookieがない新しい世界がどのようなものかを正確に把握してください。

将来的には、Facebook、Google、Snapchatなどの大手パブリッシャーが自社のモデルを強化するために顧客に要求している永続性のあるID(名前、Eメールアドレス、電話番号など)に投資することが、ビジネスを促進するには不可欠になります。つまり、顧客から定期的にこれらの情報を収集できるような戦略を優先させる必要があります。

これらの戦略を構築するに際には、早い段階から法務部門を巻き込みましょう。顧客データはチームスポーツと同じです。プライバシーに配慮した顧客体験を提供するためには、複数の人員や部署・チームを超えた連携が必要となり、それが顧客ロイヤルティの促進につながります。企業が一丸となることで業界の変化を常に把握し、潜在的な収益への影響を回避し、長期的なブランドの信頼を構築できます。

しかし、変化への対応は決して容易ではないため、Tealiumがあらゆる段階でサポートします。サードパーティCookie消失に対する適切な準備方法についてより詳しい情報を知りたい方は、こちらのオンデマンドセッションをご覧ください。

マスタークラスセッションの詳細については、次のブログもご覧ください。

行動開始の準備はできていても、どこから始めたらいいかわからない場合はTealiumが支援いたします。ファーストパーティデータ戦略への移行でTealiumがどのように役立つのか、お気軽にお問い合わせください。

Post Author

Shinsuke Umezawa

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