キャンセルカルチャーは、TikTokやYouTubeだけにあるのではなく、サードパーティCookieが消失したマーテクにもあてはまります。問題となるリストの上位にデータマネージメントプラットフォーム(DMP)がありますが、これは顧客情報の収集に、ほぼすべてでサードパーティCookieに依存しているからです。

しかし、DMPが生き残る希望はあります! 別のデータソースさえ見つかれば、DMPはCookieのない世界でも活躍できます。しかし、それができるかどうかを判断する時間や予算はありません。

そのため、サードパーティCookieの消失をどのように回避することができるかを紹介した、マスタークラスシリーズの第2回セッションでは、顧客の移行を支援するための実用的なステップについて説明しています。本稿でマスタークラスシリーズのセッション概要を引き続きお読みいただくか、より詳しい内容をオンデマンドウェビナー(英語)でご覧ください。

講演者は、ソリューション・コンサルティング担当ディレクター ジェイミー・ウェルズおよび製品マーケティング担当ディレクター マット・パリジです。

私たちはDMPが嫌いなわけではありません。DMPは強力なツールであるとは思いますが、時代の変化に伴い次第に使われなくなってきているため、皆さんに巻き込まれてほしくないのです。

では、どうすれば良いでしょう? まずは、ファーストパーティデータ戦略へ切り替えることです。今すぐ移行することは、DMPに関してのことだけでなく、サードパーティCookie消失の影響の多くを回避することにもなるのです。

実際にはどうすればよいのでしょうか? それは、以下の5つのステップから始まります。

ステップ 1:主な計画要素としてプライバシーを優先する(25:40)

これは、強固なデータ基盤を構築するための重要な要素です。最初から個客の同意を得ることを検討することで、プライバシーを優先させます。しかし、それだけではありません。顧客のライフサイクル全体を通じて、長期間にわたりプライバシーを維持する必要があります。

具体的には、

  • プライバシーを顧客の最優先事項に設定する
  • 顧客データの使用方法や特定の情報を収集する理由について、完全な透明性を確保する
  • より良い体験を提供するために実際に必要なデータだけを収集することで、個客中心主義の体験を維持する

ステップ 2:ブラウザに依存する(30:23)

これは、ファーストパーティデータ戦略を確立するためだけではなく、Cookie終焉後の世界で生き残る上でも重要です。なぜでしょう? 顧客プロファイル内のわずかなギャップを埋めるのにサードパーティCookieにはもう頼ることができないからです。

それには、まずデータを必要なものだけにまとめる必要があります。そこから、顧客データが存在する可能性のあるすべての場所、ソース、データベースを識別します。貴社が所有する識別子を活用して、すでに使用可能な他のデータを確認することもできます。このようにして、顧客データを完全に管理し認識できるようにします。

このデータガバナンスを使えば、サードパーティCookieがなくなった場所を補完できます。たとえば、各広告インベントリのプールまたはネットワークで類似ユーザーのターゲティングに使用するファーストパーティセグメントを作成できます。

ステップ 3:データ収集戦略をより強力な価値交換に適合させる(34:54)

ここでのキーワードは「価値交換」です。これは話題になり始めている言葉で、これには正当な理由があります。あまりにも長い間、顧客は企業やブランドから貴重な個人情報を提供するよう求められていたにもかかわらず、それに見合った見返りを得られていなかったからです。

だからこそ、顧客体験を向上させるために、特定の情報を収集していることを前もって伝えることは非常に重要ですが、それだけでは十分ではないこともあります。例えば、次回の注文で25%の割引を適用できるクーポンを発行するなど、金銭的な価値を提供することも考えられます。

しかし、多くの企業では、最初のタッチポイントでの価値交換に重点を置くことはあっても、顧客のライフサイクル全体を通じた価値交換戦略を検討していないのではないでしょうか。顧客は、適切な価値交換が提供されない場合のコストを非常に高いと感じています。なので、価値交換をカスタマージャーニーにおいてバランスよく取り入れることが重要です。また1対1の関係が強化され、データの健全性が向上するなどのメリットも得られます。これは、サードパーティCookieデータ終焉後の戦略を策定するうえで非常に重要な要素です。

ステップ 4:アイデンティティの倍賭け(36:58)

匿名の人物を、既知の人物にする方法を理解することは、最適化に不可欠です。まず、それぞれのアドネットワークのID戦略を認識し、それに従って識別子を分類します。そこから、各局面またはデバイスに対して可能な限り最良のファーストパーティ識別子を選択することによって、戦略を形成できます。その後、PII(個人識別情報)を追加して、顧客プロファイルを作成できます。

顧客を識別するためのソリューションに関する会話はまだ進行中ですが、LotameやTrade Deskなどが提案した「一元化ID」またはユニバーサル識別子のソリューションを調査および評価することもできます。しかし、これらのソリューションは、IDのための最重要項目ではありません。むしろ、IDの危機を乗り越えて作業を続ける上で、それらは一時的なパズルのピースです。

ステップ 5:ターゲットミックスの再評価と機動性の維持(39:39)

行動セグメントベースの広告の将来は非常に不安定なので、将来の変化に備えて今できることをすることが重要です。まず、組織としての立場を哲学的に考え、それからどこに重点を置くべきかを決定することから始めます。

ターゲットミックスに関しては、行動キャンペーンがまだ利用可能な間に、コンテキストキャンペーンや行動キャンペーンをテストして学習することから始めると役立ちます。これにより、コストとパフォーマンスを比較することが可能になります。さらに、難読化されたセグメントIDを持つファーストパーティIDをアドネットワークに送信しましょう。使用するかどうかにかかわらず、これらのオーディエンスを構築して別のタグをテストすることができない理由はありません。

最後に、もし貴社がDMPを利用しているのであれば、コーホートの連合学習(FLoC)Googleのプライバシーサンドボックス(いずれも外部サイト・英語)を確認しておくとよいでしょう。このような巨大企業は、広告や新しいセグメントへのリーチという意味で、サードパーティCookie終焉後の主要プレイヤーになるでしょう。これらは本来、DMPの共有化バージョンであり、これらの情報は利用可能かつ無料ですが、これらはユーザー制限がある点に注意する必要があります。

ここまでお読みくださいましてありがとうございます。今後に備えるための詳細は、オンデマンドウェビナー(英語)でもご覧いただけます。サードパーティCookie終焉後の世界に備えるためのヒントを見つけてください。

ファーストパーティデータ戦略へ移行するための方法について、より詳しく理解されたい方は、お気軽にお問い合わせください。現在の貴社の取り組みや戦略をお伺いした上で、Cookieのない世界への最適な準備方法をご提案させていただきます。

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Shinsuke Umezawa

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