モバイルデータ管理への取り組み方

モバイルの使用や、「モバイルファースト」への推進によって、将来対策が必要な、別のサイロを作ってしまわないようにしましょう

顧客の行動とテクノロジーの急速な変化によって、組織は根底にあることを考えずに、新しいツールを購入したり、あるツールを別のツールに交換したりするかもしれません。根底にあるものはデータです。データは、組織の顧客に対する見方を表しています。また、別のツールへの切り替えや、新しいツールを採用する場合、格好よくて、魅力的な新機能に重点を置いて、ツールの移行によるデータが果たす(または果たす可能性のある)役割を見落としがちです。

モバイルは多くのデータタイプの中の1つ:包括的なデータ戦略の必要性

この場合のデータを生成する新しい「ツール」はモバイルです(関連記事:モバイルデータについて知っておくべきこと)。最近、ウェブおよび取引ツールからのデータは古くなり、モバイルツールからのデータや、IoT /コネクテッドデバイスからのデータが姿を現しています。これまで、製品、コールセンターやカスタマーサービス、コンテキスト(天気や匿名のウェブブラウジングデータなど)などのデータや、組織が収集に利用している多くのデータ生成ツールについては説明しませんでした。この分野のひとつの明確な傾向として技術の変化、主に付加的変化があります。

図1:統合されたデータサプライチェーンにおけるモバイルデータの例

新しいデータタイプが現れても、通常、古いタイプのデータは無くならず、互いに補完しあいます。この事実と、一貫性のある関連性の高いエクスペリエンスへの消費者の期待の高まりを考えると、明らかに問題の核心はデータの柔軟性にあります。このため、重要なモバイルデータなど、組織におけるデータ管理へのアプローチは、包括的基盤の実現のため柔軟性を考慮して構築されるべきです。

重要な検討事項:データと実行場所の分離

柔軟なデータ管理アプローチの中心となる要素は、データと実行場所の分離です。メール送信やウェブサイトのコンテンツなどの管理場所と同じ場所でデータを管理してはいけない理由。

モバイルを組み込んだデータ管理基盤の柱:柔軟性と包括性

急速に進化するテクノロジーと顧客行動には、柔軟で包括的なデータ基盤が必要です(参照:モバイルのためのティーリアム)。しかし、データ基盤が柔軟で包括的とは具体的にどういう意味でしょう?

データの柔軟性

柔軟なデータ収集について:

データ収集の柔軟性は、包括的なデータ基盤の構築に直接影響します。一度に収集・管理できるデータの種類が多ければ、より多くのデータを独創的に使用して、望ましい結果を生み出す事が可能です。具体的には、次のデータ収集機能が柔軟な基盤につながります。

クライアントサイドとサーバーサイド収集 – 多くのモバイル技術とプラットフォームはサーバー側でデータを収集していますが、古いウェブデータ収集はクライアント側で収集しています。柔軟なデータプラットフォームには、JavaScriptタグ(クライアント)とSDK(サーバーサイド)でのデータ収集機能が必要です。

オムニチャネルおよびオフラインデータ –  オフラインのデータ、またはCSVアップロードでのみ取り込めるデータがあります。すべてのデータタイプを活用するには、データプラットフォームがオフラインデータを取り込める必要があります。

必要なデータ管理機能:

データの取得だけでなく、そのデータで何ができるかも重要です。結果的に、データ処理機能次第で、戦略的にデータを活用する組織の能力を制限したり強化したりします。次の機能により、組織はデータを最大限に活用できます。

収集時点でのデータ変換/エンリッチメント – (データ収集中の)事前のデータ変更と拡張機能は、高度な戦略へ向かうデータの迅速な使用に直接つながります。データの後処理は費用と時間がかかるので、収集時の変換によって費用を節約し、データ使用を高速化します。さらに、データの名前変更、組み合わせ、計算を実行して、データを変更、マージ、拡張する機能で、データによる高度なアクションを可能にします。高度なデータ処理機能例を以下に示します。

データストリーミング – 最後に、データ管理機能には、すべてのデータまたはそのサブセットを様々な実行システムにリアルタイムでストリーミングする機能があります。これらの実行システムは、データを使い、顧客エンゲージメントのアクション(Eメール、広告、パーソナライゼーションなど)を強化し、データを詳細に分析し、視覚化できます(分析システム、データレイク、データウェアハウスなど)。(データソースと同様)データの宛先が多いほど、データサプライチェーンの価値は高くなります。

ビジタースティッチング – ビジタースティッチングは、複数のデータセットとデバイス上で個人を識別し、その顧客のシングルビューに基づいたアクションを実行する技術的基盤を提供する、堅牢なID検証の中核になります。しかし、顧客レコードを1つのレコードに単に組み合わせるものから、カスタマイズ機能を制限して、全作業を実行するブラックボックス「インテリジェント」技術まで、幅広い「ID検証」機能があります。「インテリジェント」技術は、簡単なため、魅力的に思えますが、最終的にはインテリジェンスの程度とカスタマイズ性に欠ける点を考慮する必要があります。確実に行えば、ID検証は、パーソナライズされ、一貫したエクスペリエンスを、顧客に大規模に提供する鍵となります。ただし、ビジネスモデルが異なれば、通常、ID検証戦略も異なります。組織のデータプラットフォームは、時と共にデータの価値が最大になるよう、管理者がID検証戦略をデータに反映できる柔軟性を備えている必要があります。

図2:ビジタースティッチングの例

包括的データ

データ収集の品質とアクションへの関連付け:包括的データ収集には、顧客行動と利用可能な技術に応じたデータ収集をする柔軟性が必要です。上記のデータ収集の柔軟性の詳細をご覧ください。

この多様な柔軟性により、データの価値はそのデータの使用能力に関係するため、受信データの品質を可視化するツールが大変重要になります。データは、システム間において適切な形式で整合している場合にのみ、最大限に活用できます。包括的データセットの構築および維持には、迅速なアクションを可能にする仕様を満たす必要があります。そのため、データ品質は真の包括的データ基盤にとって重要です。

データ品質を保証するデータ仕様の管理により、組織は受信データを定義し、未定義、無効、または欠落データを簡単に見つけることができます。システムに流入するデータ品質を監視することで、包括的データセットを確保できます。

 

イベントレベルおよびオーディエンスレベルのデータ:データ基盤は、イベントレベルの細かいビルディングブロックデータ(モバイルアプリからのクリックストリームデータなど)と、オーディエンスレベルの処理済みデータ(アプリセッションやユーザー属性など)を最終的に一体化する必要があります。

イベントレベルのビルディングブロックデータ、オーディエンスレベルのデータを様々に組み合わせて操作することで、高度なインサイトを提供できます。たとえば、アプリである画面(イベントレベルのデータ)を見ると、ユーザーアフィニティ(オーディエンスレベルのデータ)を定義できます。次に、ユーザーアフィニティを使い、メッセージのパーソナライズまたは広告ターゲティングが可能です。

 

統合:データセットは、包括的で実用的な場合にのみ価値があります。データプラットフォームの統合により、データセットの範囲に直接影響が及びます。ひいては、データ配信の統合が増加により、包括的データセットの価値は高まります。データプラットフォームのすべての統合は双方向で行われるとは限らないため、データの収集と配信の両方で統合を評価することが重要です。

主な課題:データプロセスとデータ機能のマッチング

しかし、データ自体がすべてではありません。包括的データサプライチェーンは複雑なため、技術的なデータ管理機能を繊細なデータ管理プロセスと(共に基盤となるテクノロジーを使って)一致させることが不可欠です。まず、データを強化するエクスペリエンスと結果を分析する能力は、そのデータがどのように収集され、事前に変換されるかに大きく依存します。ただし、開発者、マーケターからビジネスインテリジェンスアナリストまで、3〜4人の個人またはグループが、データサプライチェーンのサブセットのどこかにニーズと責任を持っていることが多くあります。

通常、開発者は、洗練された機能を開発するため、事前にアプリケーションの構築範囲を定めます。次に、マーケターが機能を活用し、コンバージョンと追跡に目を向けて結果を達成します。また、ビジネスインテリジェンスアナリストはサイクルの再開に向け、結果を理解し、インサイトをアクションに結び付けてループを閉じます。

この工程の基本的データガバナンス技術により、すべてのチームが標準のデータセットで作業できるため、組織の柔軟性とカスタマーエクスペリエンスの提供能力が大幅に向上します。

Resource Type: Fundamentals
Topic: Mobile & IoT
Product: EventStream API Hub