6月24日、GoogleはChromeのサードパーティーCookieの寿命を約2年引き延ばすために、Cookieの廃止を2023年まで延期することを発表しました。マーケターや分析担当者は、このアップデートによる解決に対応しなくてはならないことはもちろん、より大きな問題に直面することになるでしょう。ChromeがCookieを無効にする準備ができていない可能性がありますが、既にSafariとFirefoxが消費者のプライバシー管理を強化し続けているため、どちらにしてもCookieの廃止対策は必須事項です。
マーケティング担当者は、消費者の購買行動をブラウザ チャネル別に管理することになります。その結果、IDの取り扱いに支障が生じ、潜在的な顧客が商材を購入に至るまでのプロセスを認知・興味・比較検討・購入するまでの各ステップ(セールスファネル)が破壊されることになるかもしれません。
前回の記事「Cookieが廃止される今、マーケターがするべき6つのこと」 では、2022年2月に期限が設定されたサードパーティーCookieの廃止の意味と、それが企業のマーケティング部門、アナリティクス部門、カスタマーエクスペリエンス部門の各チームに与える影響を説明しました。
6月24日に、GoogleがChromeでのCookie廃止を2023年まで延長する(外部サイト・英語)と発表したとき、これは多くの広告主にとって素晴らしいことであり、変化に備えるための時間ができるのではないか、と我々は考えました。しかし、よくよく考えてみると、この変更は良いことよりも悪いことの方が多い気がします。その理由としては、
この問題が貴社にどのような影響を与えるか、そして今何を考え、何をすべきかを理解するためには、マーケターが果たしていた過去10年間におけるCookieの役割を根本的に理解することから始める必要があります。
そしてCookieが廃止された場合、より広範囲にどのような影響を及ぼすでしょうか?
Digiday(外部サイト・英語)は、Cookieについて、マーケターがサイト訪問者をよりよく理解し、追跡し、どのようにサイトを通して交流したのかを記録するために使用しているさまざまなタイプのものがあると説明していますが、我々はDigidayよりも簡潔に説明したいと思います。
Cookieとは、消費者が自らデータを提供しなくても、企業が消費者のIDを管理することができる手段です。
長い間、Cookieはマーケティング担当者にとって簡単なボタンであり、IDの管理をテクノロジープロバイダーや出版社に押し付けることができました。企業は、このCookieの管理と適用によって10億ドル規模のビジネスを構築してきましたが、このクッキーが(部分的に)廃止されることになりました。この廃止で、急速に進化する可能性のあるビジネスに、広範囲に渡った影響がでています。
最新のマーケティングテクノロジー業界(外部サイト・英語)の企業の多くは、Cookieを利用してWebサイト上のユーザーのIDを維持しています。Optimizely、AB Tastyなどの多くの一般的なパーソナライズプラットフォームを思い浮かべてください。これらは、ファーストパーティCookieを活用して、Webサイト上のユーザーのテストとパーソナライズを可能にしました。
しかし、ベンダーが設定したCookieは(Safariで)1日しか持続しないため、最初の訪問から25時間後に誰かがサイトに流入しても体験やテストを継続することはできません。これに対してマーケターはどうすれば良いのでしょうか?
これらのプラットフォーム(テスト、顧客分析、アトリビューションなど)の多くは、顧客がサイトや体験に到着したときに、顧客が提供したIDを使用したり、顧客IDを顧客に提供したりするように移行していますが、これらのさまざまなIDをすべて保存し、パーソナライゼーションのような共通のユースケースを可能にし続けるにはどうすればよいのでしょうか?
Cookieが廃止されると、マーケターはテクノロジースタック全体の中で何よりもIDの問題に直面することになります。そして、最もプライバシーの安全性が高い解決策に目を向けなければ、販売目標の到達プロセスが分断してしまう恐れがあります。
つまり、マーケターはブラウザから独立しなければ、セールスファネルが分断される危険性があると言うことです。
分断されたセールスファネルは、IDとブラウザの種類によって異なり、顧客との関わり方の計画に複雑さをが生じるため、顧客がサイロ化されたように見えてしまうことがあります。IDとプライバシーの分母を解決することは、近い将来、組織が顧客とつながるための基本となるでしょう。
やるべきこと:サービスチームや技術チームと協力して、お客様のビジネスの中核となるIDを理解しましょう。Tealium AudienceStreamのようなシステムを導入することで、組織全体でこれらのIDの収集、保存、アクセスをサポートし、独自のマーテックスタックへのリアルタイムデータ統合をサポートすることが大切です。
やるべきこと:プライバシーへの配慮をすべての行動に組み込みましょう。具体的には以下のような項目に配慮することが大切です。
・どのようにオーディエンスを作成しているのか
・顧客はどのような経路をたどっているのか
・どのようなオファーを受け取る予定なのか
・各段階に応じたデータを用意しているのか
・顧客はデータを提供することに同意しているのかデータにアクセスし、明確な同意を得ることで、マーケターは将来のキャンペーンを成功させ、消費者との永続的な関係を築くことができるのです。
やるべきこと:進化とは「止まらないこと」です。IDの設計にとどまらず、IDレイヤーをデータレイヤーから完全に切り離し、新しいコアIDを使用して任意のデバイスまたはチャネル全体で連携して操作することをお勧めします。またその間、パーソナライゼーション戦略に最初から組み込まれるように、リアルタイム機能に投資することも必要です。
やるべきこと:訪問者からデータを収集し、コア識別子を共有してもらうためのプログラムを設定することを今すぐ行ってください。Facebook、Googleなどとのサーバー側のパブリッシャー統合に移行することで、競合他社と差をつけることができ、クライアント側のタグ付けだけに依存するよりも耐久性のあるソリューションをサポートすることができます。
ブラウザから独立し、共通のIDを見つけたマーケターは、他のマーケターよりもはるかに大きな成果をあげることができますし、業界にもたらされる将来の変化に柔軟に対応しながら、他とは一線を画することもできます。
Google ChromeやAppleが私たちに示唆していることは「ビジネスに大きな影響を与える変化が突然起こりうる可能性がある」ということです。柔軟で革新的なプラットフォームを提供するTealiumのようなテクノロジーパートナーとサポートチームを準備することで、これらの変化に対応する調整のスピードや市場投入のスピードにおいて、競合他社とは大きな差をつけることができるでしょう。