Googleは、2022年までにサードパーティCookieを廃止するという昨年の発表に加え、2021年3月3日には、現在広告業界が策定している代替技術に乗り換えること、またはそうしたトラッキング技術を自社製品で使うことはないと発表しました。マーケターと分析担当者は、「ファーストパーティー ファースト」のデータ戦略に取り組み、新しい方法でデータを連携し、顧客と強力な価値交換を構築する準備が必要です。

ここ数年、マーケターは、広告のターゲティングやキャンペーンの測定に必要な、ブラウザのファーストパーティとサードパーティCookieに対する対応の変化に翻弄されてきました。しかし、2022年は後戻り出来ない年です。マーケターは、顧客データの把握とキャンペーンの効果測定についての新しい取り組みを考えなくてはなりません。

それでは、マーケターは今後何をするべきなのでしょうか?分析チーム、顧客体験チーム、マーケティングチームが注意すべき6つの項目と、その準備方法を紹介します。

マーケティングチームがするべきこと

クローズドプラットフォーム提供ベンダーが短期的な解決になる

アドテク (広告技術) 業界において「クローズドプラットフォーム」提供ベンダーは、この事態を予測し、Cookieと同様のデータを使用してユーザーを識別し続けられるようにしました。FacebookがコンバージョンAPI製品を使い、この争いに参入してきましが、他の広告大手も同様に参入してくるでしょう。

アドテクがサードパーティCookieの崩壊に対応しようとする一方で、広告主は、大手が過去1年間この不測の事態に備えて準備してきた一貫した体験と報告手法に頼ることになるでしょう。

次にすべきこと:独自のファーストパーティデータを今すぐ準備しましょう。いくつかのデータ取得の機会が無くなっても、別の機会が現れます。ファーストパーティデータを取得し、下流にいる広告主と連携できる方法を選択し、かつ柔軟性を持ち合わせなければなりません。そのためには、素早く行動し適応できる、スタック全体で機能するTealiumのようなツールがお勧めです。

データ収集はより難しくなるが、今後ますます重要になる

過去10年間、マーケターがキャンペーンや測定に必要なデータを得るのは比較的簡単でしたが、今では戦略がなくてはデータ収集が難しくなっています。サードパーティCookie (または類似の代替品) がない世界では、収集に適したツールだけでなく、(サーバーサイドとクライアントサイドでの) 収集方法とデータの使用場所を把握しなければなりません。

次にすべきこと: ファーストパーティデータの収集方法は数え切れないほどありますが、コーディングが最も速く成功を納められる方法ではありません。これは、開発者にとっては十分に柔軟性があるかもしれませんが、顧客にとってはそうでない可能性もあります。顧客が活用しやすいデータ収集ツールを探しましょう。
例えば、新しい連携の構築、新しいイベントフィードの設定、新しいキャンペーン用ランディングページのトラッキングなどのデータは、ツール次第でチームスポーツのように活用することもできます。

ブランド各社の協力がなければアドテクはサービスの向上ができない

FLoCのように、アドテク企業 (広告業界) がサードパーティデータを提供する事業を始める場合、予想以上にブランド各社の協力が必要となります。なぜなら、ブランド各社がファーストパーティデータとオフラインのコンバージョンデータを提供しなければ、アドテク企業は自社のサービスを維持・強化することができないからです。すなわちアドテク企業が提供する広告技術よりも、ブランド各社が現在提供しているデータの価値が高くなり、アドテクの利益に対するブランドの貢献度は向上します。また短期的には、アドテクによって提供されるこれらのサードパーティーデータは他のチャネルでは活用できないので注意が必要です。

次にすべきこと: Cookieベースのターゲティングへの依存度を減らし、データソース間の連携を図るための設定・管理・調整の自動化の方法を検討しましょう。 

分析・測定チームがするべきこと

経営陣に変化を報告して納得させる

ダッシュボード、レポート、アトリビューションは、ブランドがデジタルメディアでの収集、購入、レポート方法を調整し続けるため、今後1年半の間(2022年まで)、変化し続けるでしょう。業界が新しいサービスを展開し、ブランドがそれを試行する間に、新しい基準が設定されて大きな変化が起こることが予想されます。

次にすべきこと: 専門知識を生かし、ツールを用いてデータ解析ができる人材を揃えた、より強固な組織構築を行いましょう。短期的には実際の売上額を主な指標として、社内と社外のチームが一丸となって目標を設定し続けることが重要です。そのためには、試行やPOC(概念実証)を通じて、技術機会を迅速に評価しなくてはなりません。
データに基づいた適切なチームを構築する方法については、ホワイトペーパー「顧客データの真の力を解き放つ方法」も参考にしてください。

Tealiumはデータの共有を可能にする

ブランド各社は過去5年間にわたって、自社 (あるいはAdobe / Google独自の言語) の標準フォーマットでデータを抽出・変換・書き出しするために労力をかけ、ETLプロセスを社内で構築してきました。

弊社はデータスクラビングやデータエンジニアリングの基本に戻り、莫大な時間を使って提供してきたものの分析を行いました。今後は、ブランド各社が再び大量の所有データを「共有」するようになり、データスクラビングやデータエンジニアリングの基本に戻り、提供されたデータを理解するために莫大な時間を費やすようになるかもしれません。 

次にすべきこと: 企業は、自分たちが何を共有し何を受け取るのか、そしてそれを自分たちのために使えるようにするためにどれだけの時間がかかるのかを理解しなければなりません。
すなわち、これを支援する社内のデータ分析チームとエンジニアリングチームをサポートするテクノロジーとパートナーがますます重要になります。

顧客体験

同意とプライバシーは、あくまでブランド各社の問題

Adweekのタウンホールからの中継で、Googleは、ブラウザ上での個人のスティッチング(指紋とIPアドレス照合)を廃止し始めると発表しました。また、プライバシー保護のためのブランド各社に対する同意と価値交換の問題もあります。

ブランド各社は、インターネット上で匿名の誰かを追跡する能力がないと、新規顧客やロイヤルティになりうる顧客に対してどのような価値を提供できるのかを示すことはできません。これがブランド各社がかかえる唯一の問題です。消費者は、いったん価値が得られれば、確実な方法でログインしたり、情報を共有したりする傾向があります。そのため、Google、Facebook、Twitterが、今後SSO (シングルサインオン) の主要な選択肢となることが予想され、AppleやAmazonが (オープンソースの他の多くのプロバイダーと共に) この競争に参加してくるかもしれません。

次にすべきこと: 重要な識別子の価値交換を構築しましょう。デジタルリソースとコンテンツを強化し、顧客ごとに最適な価値を提供することが大切です。今後の顧客はブランド各社からの強力な価値交換によって、オンラインでの認証による訪問を増やすことができます。

まとめ

プライバシー保護が叫ばれる昨今、アドテクやマーテック内のすべてで変化は起こり続けます。マーケターはこの不安定な時代に対応していかなければなりません。ファーストパーティデータ戦略については、eBook「データ戦略変革期:顧客体験改善に向けたファーストパーティデータへのシフト」をご覧ください。

Shinsuke Umezawa