大規模なパーソナライゼーションは、今やデジタルマーケティングでとても重要な要素であり、企業が競争で勝つためにはより良いパーソナライゼーションの方法を見つけなければなりません。しかし、パーソナライズの最大の課題は、不正確または不完全な顧客情報が、個々の顧客体験の基盤として使用されていることです。

この課題を解決する取り組みの一環として、カスタマーデータプラットフォーム (CDP) の使用が挙げられます。CDPを使用することで、以下のことが可能になります。

  • 個人レベルで編集や分析が可能な顧客インテリジェンスの開発
  • 複数チャネルにわたる顧客の経験を組み合わせたインサイト分析
  • これらをテックスタック全体でアクセス可能な標準化されたデータへの変換
  • マーケティング用途にとどまらない、ターゲットを絞ったマルチチャネル体験のリアルタイム作成

本ブログでは、3つの組織がデータファーストなCDPを使いパーソナライゼーションの取り組みをどのように改善したのかについてご紹介します。CDPがマーケティングやアナリティクスに関する部門以外にも影響を与え、さまざまな業界で重要な役割を果たすものであるということがお分かりいただると思います。

1. ドイツのデジタル出版業者のクリエイティブ広告におけるCDP導入

ドイツを拠点とするデジタル出版業者であるAxel Springer (アクセル シュプリンガー) のSPRING部門は、新しい規制に対応しつつ、クリエイティブ広告をより個人向けにする方法を模索していました。彼らは、エンタープライズ タグ マネジメントに加えてCDPを導入し、サードパーティデータやベンダーの使用を中止しました。これにより、SPRINGはデータ管理が可能になり、個々の顧客の関心に合わせてメッセージを調整できるようになりました。今では、CTA (行動を促すためのボタンやハイパーリンクなど) をカスタマイズしたり、色、テキスト、見出しを変更したり、個人レベルでクリエイティブ広告を調整できます。

そもそも、SPRINGがサードパーティデータから離れた2つの大きな理由は、EUの 一般データ保護規則 (GDPR) とAppleのインテリジェント トラッキング防止 (ITP) です。これは現在、ヨーロッパの企業に大きなダメージを与えています。特にドイツでは、すべての広告の3分の1がブロックされています。

SPRINGは、パーソナライゼーションを目的としたCDPを、タグマネジメント、DSP、および広告サーバと組み合わせることで、プライバシー規制の多くの課題を克服しました。
その結果、よりダイナミックでパーソナライズされた広告、より高い効率、より良いコンバージョン結果が得られたのです。

2. NBAチームのメールマーケティングにおけるCDP導入

NBAチームであるUtah Jazz (ユタ ジャズ) のアナリティクスグループでは、パーソナライゼーションがメールマーケティングのアウトリーチにおいて欠けている重要な要素でした。例えば、シーズンチケットの所有者も、1回限りのチケット購入者と同じメッセージや提案を受け取っていたのです。この問題は、顧客に関するデータの多くが、ジャズのチームサイト、Ticketmaster、およびその他のサードパーティまたは関連ドメインで分断していることでさらに悪化していました。

そこでアナリティクスグループは、パーソナライズのためにCDPと組み合わせたタグ マネジメント ソリューションを導入しました。これらの基盤となるテクノロジーを導入したことで、アナリティクスチームは、ドメインをまたがる顧客の体験をつなぎ合わせ、オーディエンスやより良い提案を作成することができるようになりました。

また、ジャズのマーケティングチームは、データに基づいたEメール通知のパーソナライズを開始しました。例えば、特定のチームの観戦チケットを購入した人にはそのチームに特化した通知を送り、いつも週末に観戦をする人には週末の試合に関する通知を送りました。

これらのパーソナライズされたメール配信を通じて、ユタ ジャズのリードコンバージョンは、リーグの他チームの2倍にまで急増したのです。

3. 医療業界のような規制産業のコールセンターにおけるCDP導入

医療業界においてパーソナライゼーションは、顧客の満足度を向上させるだけでなく、患者に適切な治療をより早く受けられるようにすることを意味します。これに加えて、患者のプライバシーを保護することにより、パーソナライゼーションの取り組みがHIPAA要件に準拠するものでなくてはなりません。

医療機関である Providence Health&Services (プロビデンス ヘルス&サービス、PSJH) は、コールセンターの体験をパーソナライズする方法を見つける必要がありました。そこで、ビジネスルールに厳密に準拠したパーソナライゼーションのために、オンラインとオフラインの情報ソースをCDPに結びつけることに着手しました。

これまで患者は、Eメール、オンライン連絡フォーム、患者からのエスカレーションなどの手段でPSJHと連絡を取っていましたが、それらの情報は相互に結びついておらずサイロ化していました。この問題を解決する一つの方法は、サードパーティのコールトラッキング ベンダーと組み合わせたコレクター タグを使用することでした。PSJHは、CDPを介して過去のデジタルインタラクションをCRMに結び付けて、この包括的な情報をオペレータにリアルタイムで提示するようにしました。

これにより、コールセンターのオペレータは、発信者から情報を聞き出すことに時間を使わずに、すべての体験をパーソナライズするためのデータを得ることができました。その結果、パーソナライゼーションが向上して、重複が減り、生産性が向上し、潜在的には患者の健康へのリスクが軽減しました。

データファーストなCDPはパーソナライゼーションを可能にする

以上の3組織は、よりパーソナライズされた顧客 (または患者) 体験を実現するためには、データファーストなCDPが必要なソリューションであることに気付きました。これらの組織は、すべてTealiumのデータファーストCDPをパーソナライゼーションの取り組みの基盤として使い、定めた目標結果を実現するためにテックスタックをすべて再構築することなく、マーケティングや他の部門で既に運用していた技術を有効活用できるようにしました。

顧客データ戦略に適したCDPの選択でお困りの方は、 お気軽にTealiumまでお問い合わせください。

Shinsuke Umezawa